シーン1:

14時。

ガタンという振動を体に感じる。 それを境に、薄い光が瞼の向こうから差し込んでくる。 蝉の鳴き声が聞こえる。その鳴き声は徐々に大きくなり、それに応じてあなたは少しずつ意識を取り戻していく。

あなたはバスの車内にいる。他にも乗客は10名程度。

曲がり道が多く、バスは山道を走っているということがわかる。

あなたは夢をみていたような気がする。

意識に靄がかかりぼんやりしている。 そんな中、あなたは今、どこに向かっているのか、なんのためにそこに行かなければいけなかったのかを思い出そうとする。

(PLに語っていただく)

道が下り坂になって間もなく、見下ろすような形で村の様子が見え始める。 山の一部をスプーンで掬ったような形の楕円形の村。 ほとんどを田畑が占めており、その中に民家ががポツポツと散見される。 村は昼過ぎだというのに、霧がかかっており景色の輪郭が揺らいで見える。 まるで現実感がない。 その感覚を増長するように、田舎にふさわしくない一本の塔が、村の中心でゆらゆらと屹立している。 その塔の名前が「霧谷塔」であるということをあなたは思い出すでしょう。 あの塔が目的地だということを思い出します。

やがて塔の横にあるバス停で停車する。社内アナウンスが流れます。 「長時間大変お疲れ様でした。霧谷村に到着いたしました」 それに従い他の乗車客がぞろぞろと動き出し降車を始める。

あなたはどうしますか?

降車すると、小さなしわがれた老人と、その後ろに4人の人物が見える。 後ろに立った4人は、真っ白い布の衣服をまとい、真っ白の仮面をつけている。その服装が人間が本来持つべき人間らしさというものを剥ぎ取っており、人物の間にある差は身長くらいしかない。

しわがれた老人が話し始める。

「皆様、ようこそこの村に、そして『夢食祭』にお越しくださいました。私はこの村の村長をつとめております、村上秀作と申します」

(ちょっとざわざわしている観光客)